突然ですが、立体成型・絞りって言葉は聞いたことありますか?
革をやっている人なら、「うんうん、わかりますよ」という方が多いかと思います。
革加工をされていない人なら、「何でしょう?」という方が多いかと思います。
ざっくりいうと・・・
「革を水等で湿らせてから、型にいれて押さえつける。
乾燥すると、その型の形が革に残ること」です。
専門学校等の授業でも、革の性質としてわかりやすいので
よく実演で「絞り」は見せます。
ちょっとお堅い言葉で説明すると・・・↓
物体に応力を与えたときに生じた変形が、その応力を取り除いてももどらない性質。
この性質は革の加工時における成型性と関係が強い。
革自体、比較的可塑性がいいが、クロムなめしの革よりも植物タンニンなめしの革が可塑性が良く
クロム鞣し後に植物タンニンで再鞣した革は、クロム革よりも良好である。
また、革に熱や水分を与えることにより大となるので、製靴工程や、カメラケース、革工芸の製作などに応用される。
革の試験法に半球状可塑性試験があり、JIS K 6546に規定されている。
(JLIA 皮革用語辞典より引用)
言葉だけだとわかりにくいですよねw
最近、この手の仕事を受けることが多いのですが
画像でお見せすると・・・↓
1)まず型を用意。
木や金型にて製作することが多いのですが、
今回は鞄の底芯で使用する「ベルポーレン」にて仮の型を製作。
2)十分に濡らしてほぐした植物タンニンなめしの革を、型にのせ枠をはめ込む。
その後、上下で圧を加えてしばらく放置。
3)乾燥してきたら、枠を外す。
必要に応じて硬化剤を床面(革の裏面)に塗布し、再び絞る(型にいれ圧をかける)。
上画像は製品のサンプル用で作ったものですが、きちんと型がついたのがわかると思います。
こういった性質を利用している革製品、多く見かけますよね。
現在受けてるお仕事上、ここでは画像をUPできないのですが・・・
この絞りの技術、いろんなアイテムで生かしていきたいと考えています。
革素材の可能性、まだまだありそうです。
奥が深い。