過日、BUCK-TICKのギタリスト・今井様よりツアー用のブーツをご注文頂き、製作させて頂きました。
かなり込み入ったデザインのご要望。
今まで、こういう変わった形のデザインのオーダーを受けてくれていた方が、もう作れないとのこと。
そういった経緯でお声かけて頂きました。
テーマは「トランプ柄」「ピエロ」
作ったことはないけど、いろいろと技術を加えながらやってみましょうということで快諾しました。
上画像が、以前ツアーで履かれていたピエロイメージのデザイン。
爪先のくるんがポイントですね。
ご要望をまとめたメモを頂き、それを参考に見ながら・・・
いざ、製作スタートです。
今回、いろいろと周りの方に力になって頂きながら作業を進めました。
そもそもヒール自体かなり高め。
そして、ビジュアル重視ながらも機能性も大切に・・・
個人的にはここまで手のかかる製甲は経験がなく、非常に面白かったですw
ダイヤ柄の生地や革がなく、いろいろと考えた結果で
「白ベースの革に、赤・黒のダイヤ型に裁断したパーツをひたすら縫い付けていく」にしました。
パーツが恐ろしく多いのと、糸処理箇所も莫大な箇所・・・
これはひたすらコツコツやるしかありません。
ただ貼り付けていくのではなく、最初にブーツの型紙を裁ち
その型紙にダイヤ柄をはめ込んで、ちょうどいいバランスに配置する。
そもそもが、正面から見たときに、横から見たときにきれいに見えるように
ダイヤの大きさを微調整しなくてはならない。
・・・それで、「革にイメージを落とし込んでいく」という流れでした。
ベルトをつけたり、細かいパーツをまとめたら製甲の完成です。
ダイヤがそのままの形の箇所はまだしも、途中で切り替わる箇所は非常に難しいんです。
ファスナーのつく直線部分とか、厚みが出ないようにひたすら工夫しました。
あとは、履き口の部分とかはいちいち糸の色を変えるのではなく
白(生成色)で縫ってから、赤・黒部分は糸を染めるという技も行っています。
爪先がくるんとなってますね。
この完成した製甲を木型にかぶせて、釣り込み・底付けに入ります。
さてさて、ちゃんと形になったのでしょうか??
その2に続く (´Д` )~♪