随分と昔、オーダーにて制作させて頂いた鞄。
まだ開業してそんなに経っていないこともあり、
まだまだ力不足で非常に苦労したのをよく覚えています。
仏・デュプィ社のボックスカーフ・ライニングカーフをふんだんに使用し、非常に贅沢な一点もの。
お客様に喜んで頂けたのがすごく印象に残りました。
そのお客様より久々にご連絡を頂き、「修理をしてほしい」とのこと。
まずはどんな状態なのか、画像で拝見することに↓
・・・裏革がビリビリに破れていたりすごい状態というのもありますが、
自分が制作した鞄をここまで使って頂けたことに感動。
ご子息がご成人なさるということで、「欲しいものは何?」と聞いたところ
「この鞄が欲しい」というお話で・・・
「とりあえず、見た目を良くして安心して使えるようにして下さい」というご依頼でした。
作り手冥利に尽きます。
本当に有難い。
1)ライニング(裏革)交換
2)かぶせ(蓋部分)のテープ交換
3)ほつれ部分の縫い直し
4)全体染め直し
・・・の補修をさせて頂きました。
さすがに、一回バラして作業したので時間は掛かってしまいましたが。
納品して、ご満足頂けたようです。
本当に良かった。
この作業をしていると忘れがちですが、革って一生もの。
いろんな気持ち・期待をもってオーダー頂いております。
その気持ちを裏切ることのないよう、日々丁寧に作業にあたりたいと思っています。
今回はその再確認が出来る、いい機会を持たせて頂きました。
心より、感謝申し上げます。
突然すいません。新海誠監督の映画「言の葉の庭」を観ました。その中で、アッパーのつり込み工程の場面があり、左手で木型とアッパーを持ち、右手でワニで引っ張る。次に、右手を金づちに持ち替えて釘を打つところがありました。ワニで打たないで、金づちで打つこともあるのでしょうか?
鈴木さん、コメントありがとうございます。
映画ご覧になったんですね。
いかがでしたか?
道具を持ち替えるのも手間なので、ワニのハンマー部分で叩くことが多いですが・・・
しっかり叩きたい・慣らしたい場合は、ハンマーに持ち替えることはあるかも知れませんね。
実際の映画を見ていないので何とも言えないのですが、個人的にはそう考えます。