1月20日・2月5日は、桑沢デザイン研究所にて特別講義をしてきました。
非常勤教員の僕は、担当が・・・
ファッションデザイン・テキスタイル科(2年生)。
http://www.kds.ac.jp/
http://www.kds.ac.jp/general/professor.html#kg
1年に2回の授業。
ちょうどこの時期に、革の基本的なことや実技・実演を計6時間みっちり行います。
時間は、AM9~PM0:10まで。
今年は20名ほどの生徒を教えます。
今年で6年目になりますが、毎年生徒が個性豊か。
見ているこちらが感心してしまいます。
革に触れる機会もなかなかないだろうから、きっかけとなる良い授業をと思いつつ・・・
実技に関しては、いつも準備し過ぎますw
↓この他、工具もまだまだ多数持っていきました。
ごっちゃーり。
旅行とかでもそう、「1泊の旅行に靴3足もいらないでしょ!!」というような・・・
何かの時に、何かが足らないとすごく嫌。
だから、必然的に荷物が多くなってしまいます。昔からの悪いクセ。
毎回、共通のテーマなのですが「革素材について」。
革の可塑性にテーマを置いたりしつつ・・・
( 学科 )
・皮→革への加工(鞣し)過程
・革の種類について
・素材の特徴/皮革の処理法/皮革加工法 ・・・等
上画像にも載っていますが、今回はよりわかりやすよう新たに資料も作成しました。
( 実技 )
・手縫い/縁処理の仕方
・皮革製品メンテナンス/ケア方法
・靴木型を使って、釣り込み作業 ・・・等
↓これは実技。
通常は菱目打ちを使って手縫いをしますが、スムーズにいくよう丸抜きにて穴をあけて・・・
ラミー糸を使い、手縫いでコースターを仕上げます。
みんな一所懸命。
おのおの好きな革の色を選んで、好きな色の糸で縫っていきます。
チクチク・・・
ほぼ全員、無事に完成!(画像は一部です)
慣れない作業とはいえ、手を動かすのに慣れているのかスムーズでした。
よくできました。
そして今回もお決まりで、「1枚の平たい革が、立体になっていくさま」
・・・という意味で、靴の釣込みを実演で行いました。
木型にかぶせて、釣込んでシワを取っていく。
タンニンなめしの革を使用し、木型を抜いてもきちんと形が残っている様子。
これには、生徒も興味津々な様子。
なかなか、靴を実際に作っている様子って見る機会はないと思います。
(↑ 一人カメラ目線の子がいて、あとで見て笑いました。ちゃんと見なさい!w)
そもそもの可塑性とは↓
力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質
「荷重を除いたあと(この場合は、木型を抜いたあと)に残るひずみ(伸び・縮み)
これを、残留ひずみ/永久ひずみという。」
すごく印象に残ったのが、終わってから一人の男の子とした会話。
R「どうだった?」
生徒「いやー、すごかったっす。
なんていうか・・・想像以上に職人で。」
R「ん? 意味わからんぞ?w」
生徒「僕らのやってることって、誰でも出来るっちゃ出来ることなんですよね。
そういった意味で、見ててこれはちょっと出来ないぞって・・・
今回見て思ったのが、本当に職人的手仕事なんだなーって思いました。」
・・・ほうほう、なるほど。
言い回しがいろんな意味でとれるので、ちょっと笑っちゃいましたw
R「俺が教えてる生徒もやっぱり苦労してるよ。俺も最初慣れるまで苦労したし・・・
お前さん達がやってる事もそう、決して簡単なことじゃないんだよね。
立派な事だよ。
こういう仕事をやってますって胸張れるように、頑張っていこうや。」
・・・と、生の声を聞けたのが今回は個人的には良かったです。
今回が何かのきっかけになればいいなと思いつつ・・・
卒展、今回は見にいくぞー!